「米国は年末までに計算法を熟考せよ」 朝米実務交渉決裂、朝鮮側代表が声明

スウェーデンのストックホルムで開かれた朝米実務交渉の朝鮮側交渉代表として参加した朝鮮外務省の金明吉巡回大使は5日(現地時間)夕方、スウェーデン駐在朝鮮大使館前で声明を発表した。

声明は以下全文

今回の朝米間実務交渉は、朝米首脳対面で成し遂げられた合意に基づいて構想され、その間様々な難関をかろうじて克服し設けられた容易ではない出会いだった。

今回の交渉が朝鮮半島情勢が対話か対決かという岐路に入った関鍵的な時期に行われただけに、我々は今回朝米関係の発展を推動するための結果物をなさねばならないという責任感、米国が正しい計算を持って出てくることによって朝米関係の肯定的発展が加速するだろうとの期待感を抱いて交渉に来た。

しかし、交渉は我々の期待に応えることができず決裂した。 私はこれについて非常に不快に思う。

今回の交渉が何の結果も導き出すことができずに決裂したのは、全面的に米国が旧態依然たる立場と態度を捨てられなかったことにある。

米国はこれまで、柔軟な接近と新しい方法、創発的な解決策を示唆して期待感を精一杯膨らませたが何も持って来なかったし、我々を失望させて交渉意欲を落とさせた。

我々が予め米国側にどのような計算法が必要かを明白に説明し時間も十分に与えたにもかかわらず、米国が手ぶらで交渉に出てきたのは、結局は問題を解く考えがないことを表している。

我々は今回の交渉で、米国の誤った接近によってもたらされた朝米対話の膠着状態を破り問題解決の突破口を開くことができる現実的な方途を提示した。

核実験と大陸間弾道ロケット試験発射の停止、北部核試験場の廃棄、米軍遺骨送還のように、我々が先制的にとった非核化措置と信頼構築措置に米国が誠意をもって応えれば、次の段階の非核化措置のための本格的な議論に入ることができるという立場を明白にした。

これは、米国が一方的に破棄した朝米間の信頼関係を回復し、問題解決に有利な雰囲気を作るための現実的で妥当な提案だ。

シンガポール朝米首脳会談以降だけでも米国は十五回にわたり我々を狙った制裁措置を発動し、大統領が直接停止を公約した合同軍事演習さえも一つ二つと再開したし、朝鮮半島の周辺に先端戦争装備を引き入れて我々の生存権と発展権を公然と威嚇した。

我々の立場は明白だ。

朝鮮半島の完全な非核化は、我々の安全を脅かし発展を阻害する全ての障害がきれいに疑心の余地なく除去される時にこそ可能だということだ。

朝鮮半島の核問題を誕生させその解決を困難にしている米国の脅威をそのままにしておいて、我々が先に核抑止力を放棄すれば生存権と発展権が保障されるという主張は、馬の前に荷車を置かなければならない(順番が逆)という言葉と同じだ。

我々は、米国側が我々との交渉に実質的準備ができていないと判断したことに基づき交渉を中断し、年末までにもう少し熟考してみることを勧告した。

今回の朝米実務交渉が失敗した原因を大胆に認めて修正することにより対話再開の火種を蘇らせるか、或いは対話の扉を永遠に閉じてしまうかは、全的に米国の態度にかかっている。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。