9月平壌共同宣言(全文)

朝鮮民主主義人民共和国 金正恩国務委員長と大韓民国 文在寅大統領は、2018年9月18日から20日まで平壌で南北首脳会談を行った。

両首脳は、歴史的な板門店宣言以後、南北間の緊密な対話と疎通、多方面的な民間交流と協力が進行し、軍事的緊張緩和のための画期的な措置が取られるなど、立派な成果があったと評価した。

両首脳は、民族自主と民族自決の原則を再確認し、南北関係を民族的和解と協力、確固たる平和と共同繁栄のため一貫して持続的に発展させて行くことにし、現在の南北関係発展を統一につなげて行くことを願う、全ての同胞の志向と熱望を政策的に実現する為に努力していくことにした。

両首脳は、板門店宣言を徹底的に履行して南北関係を新たな高い段階に進展させるための諸般の問題と実践的対策を虚心坦懐かつ深く論議し、今回の平壌首脳会談が重要な歴史的転機になるであろうとの認識を同じくし、次のように宣言した。

1.北と南は、非武装地帯を初めとする対峙地域での軍事的敵対関係の終息を、朝鮮半島全地域での実質的な戦争危険の除去と根本的な敵対関係の解消につなげて行くことにした。

①北と南は、今回の平壌首脳会談を契機に締結した「板門店宣言軍事分野履行合意書」を平壌共同宣言の付属合意書として採択し、これを徹底的に遵守して誠実に履行し、朝鮮半島を恒久的な平和地帯にする為の実践的措置を積極的に取ることにした。

②北と南は、南北軍事共同委員会を早急に稼働して軍事分野合意書の履行実態を点検し、偶発的な武力衝突の防止の為の常時的な疎通と緊密な協議を進めることにした。

2.北と南は、相互互恵と共利共栄の土台の上で交流と協力をさらに増大させ、民族経済を均衡的に発展させるための実質的な対策を講じて行くことにした。

①北と南は、今年内に東海・西海線鉄道および道路連結のための着工式を行うことにした。

②北と南は、条件が整うのに応じて開城工業団地と金剛山観光事業を優先して正常化し、西海経済共同特区と東海観光共同特区を造成する問題を協議していくことにした。

③北と南は、自然生態系の保護および復元のための南北環境協力を積極的に推進することにし、優先的に現在進行中である森林分野での協力の実践的成果のために努力することにした。

④北と南は、伝染性疾病の流入及び拡散防止のための緊急措置をはじめとする防疫および保健・医療分野での協力を強化することにした。

3.北と南は、離散家族問題を根本的に解決するための人道的協力を一層強化していくことにした。

①北と南は、金剛山地域の離散家族常設面会所を早い時期に開所することにし、そのために面会所の施設を早急に復旧することにした。

②北と南は、赤十字会談を通じて離散家族の画像再会とビデオレター交換問題を優先的に解決していくことにした。

4.北と南は、和解と団結の雰囲気を盛り上げて、我が民族の気概を内外に誇示するために、多様な分野での協力と交流を積極的に推進することにした。

①北と南は、文化および芸術分野の交流をさらに増進させていくことし、優先的に10月中に平壌芸術団のソウル公演を行うことにした。

②北と南は、2020年夏季オリンピック競技大会をはじめとする国際競技に共同で積極的に進出し、2032年夏季五輪の南北共同開催を誘致するために協力することにした。

③北と南は、10.4宣言11周年を意味深く記念するための行事を有意義に開催し、3.1運動100周年を南北が共同で記念することにして、そのための実務的な方案を協議していくことした。

5.北と南は、朝鮮半島を核兵器と核の脅威がない平和の場にして行かねばならず、そのために必要な実質的な進展を早急になさなければならないとの認識を共にした。

①北側は、東倉里エンジン試験場とミサイル発射台を、関連国の専門家の参観の下、まず永久的に廃棄することにした。

②北側は、米国が6.12朝米共同声明の精神に基づいて相応の措置をとれば、寧辺の核施設の永久的廃棄などの追加的措置を続けて取っていく用意があることを表明した。

③北と南は、朝鮮半島の完全な非核化を推進していく過程で、共に緊密に協力していくことにした。

6. 金正恩国務委員長は、文在寅大統領の招請により近い時期にソウルを訪問することにした。

2018年9月19日

大韓民国 大統領 文在寅        朝鮮民主主義人民共和国 国務委員長 金正恩

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。