「非核化、段階的アプローチが理に適う」 米国内で意見高まる

ハノイ朝米首脳会談以後、朝米関係が膠着した状況で、非核化問題を「段階的な方法」で進めなければならないという意見が米国内で高まっている。

RFAは、「すぐに米国と北朝鮮が合意することが出来る、非核化措置と制裁緩和などを中間段階として完全な非核化に進むことがより現実的だとの指摘 が出ている」と報じ、有識者の意見を紹介した。

リチャード・ハース米外交協会会長は、2回目の朝米首脳会談が物別れした後に出した寄稿文で「ハノイ会談後、米国と北朝鮮がすべきことは折衷案を交渉すること」「長期的な非核化の目標を立てつつ、段階的アプローチを模索することが理に適っている」と主張した。

これは、「完全かつ検証可能な非核化」が早期実現する見通しがないことを受け入れることから、より現実的な政策を始めることができるというもの。 ただ、ハース氏は「完全な非核化まで、すべての対北朝鮮制裁の解除と外交正常化は不可能だ」とも付け加えた。

ハース氏は、非核化の進展速度と対朝鮮制裁の解除範囲は比例しなければならないとしつつも、対北朝鮮制裁に柔軟性を持たせることを強調した。

ジョン・メリル元米国務省情報分析局北東アジア局長は、成功する可能性が極めて希薄なリビア方式の「ビッグディール」より、段階的なアプローチだけが非核化交渉の唯一の解決策だと認めることが、最近、ワシントンで起きている気流の変化だと述べた。

メリル氏は「北朝鮮がすぐには核兵器を放棄しない現実をトランプ大統領が受け入れなければならない。 非核化への中間段階がなければならない」と主張、2回目の朝米首脳会談が合意なしに終わった後、米国は朝鮮に対しより現実的なアプローチを選ぶ時であり、そうでなければ外交的努力が開始される前よりむしろ状況を悪化させるという指摘もあるとした。

メリル氏は対朝鮮制裁と関連、「対北朝鮮制裁は、北朝鮮が非核化の次の段階に進むことを妨げている。 開城工団、金剛山観光、南北鉄道協力事業など南北経済協力も、対北朝鮮制裁のせいで何の進展も成し遂げられずにいるが、米国も対北朝鮮制裁の解決策を提示しなければならない」と主張した。

キャスリーン・スティーブンス元駐韓米国大使は、最近、「当初合意したスモールディールに関する内容から扱いながら、核、ミサイル実験と韓米軍事訓練中止などを制度化するなど、実務交渉を通じた段階的なアプローチをしなければならない」と主張した。

ロバート・アインホーン ブルッキングス研究所上級研究員は、「スモールディルに戻ることが、一つのアプローチになることがある。 主要核施設である寧辺を閉鎖する条件で、終戦宣言、連絡事務所の開設、人道支援などを引き換えることができるし、開城工業団地の再開のように、対北朝鮮制裁の一部例外措置も可能だ」と主張した。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。