「2019年は金正恩の年」 米国の安全保障専門家が見解

米国の安全保障専門家が2019年は「朝鮮の年」になるとの見解を示した。

米国のシンクタンクである国家利益センターのハリー・カジアニス国防研究局長は25日(現地時間)、米国議会専門誌「ザ・ヒル」に「2019年が北朝鮮の年になって行っている(2019 is shaping up to be the year of North Korea)」というタイトルの文を寄稿、「2018年が金正恩にとって豊作(a banner year)だったら、2019年にはそれよりもさらに良くなりえるだろう」との見解を示した。

カジアニス氏は、朝鮮の金正恩国務委員長が一時、核実験と弾道ミサイルの試験発射で緊張を高めさせたが、南北首脳会談と朝米首脳会談を行い緊張が劇的に減少したと評価した。 この過程で金国務委員長は、国際社会の「最下層民」から「ポップスター」に急浮上し、自分自身はもちろん、朝鮮のイメージ像をも改善させたとした。

カジニアス氏は、金委員長は二回(実際は三回)や中国を訪問し、国際的なイベントも主宰しており、すでにガタつく国際社会の制裁を解除させるためのモーメンタムを構築していると見られると分析、もし朝鮮が核兵器や長距離ミサイル実験を継続中断すれば、米国の「最大圧迫」から脱することができると予想した。

また、金委員長が近いうちにロシアのプーチン大統領など首脳会談を行う予定であり、文在寅大統領とは4回目の会談を行い、習近平中国国家主席、ひいては安倍晋三首相の平壌訪問も実現させるとの展望を述べた。

そして、どんな対話であろうが核の脅威を防ぐことができればそれに越したことはないが、「核兵器を持つ朝鮮」を国際社会がますます受け入れており、米国は、簡単に解けない課題に直面していると指摘した。

彼はこのような動きは正直驚くことではなく、ロシアと中国が朝鮮との経済的、外交的関係を強化しており、韓国は核兵器ではない通常兵器をもっと心配していると指摘した。 また、「ワシントンが国際社会の世論と歩調を合わせずにいる(out of step)とみられる」と指摘、「どんな国も、『数百万人を殺すことができる武器を持った朝鮮』を快くは思わないが、かといって、そのため朝鮮との新たな関係を結ぶことを中断することもない」と言及した。

カジアニス氏は、トランプ政権が今後数週間にしなければならない事として、「朝鮮との核戦争の脅威に戻るか、または大きく満開したデタントに進展するのかどうかを決定すること」だと強調した。

彼は、朝鮮にとって、大量破壊兵器やミサイル技術を放棄するために、米国政府ができることはほとんどないと指摘、「制裁解除の前に朝鮮の完全な非核化が行われなければならないというトランプ政府の強硬路線は、金正恩と北京とモスクワ間の関係強化をもたらすただけだ」と批判した。

また、それでも幸いなのは、米国が、小さく貧しい朝鮮より信じられないほど強い位置にあるだけに、朝鮮半島の平和を実質的に保障する条件を作り出すことができるという点であり、これは、朝鮮による劇的な非核化ジェスチャーに答えて朝鮮戦争を終える提案を意味するものだとした。

彼は「トランプ大統領がTwitterを通じて終戦宣言を発表することで、金正恩の真の意図を試すと同時に、彼が拒否したり心を変えないようにすることができる」と主張した。

また、「2019年が金正恩の年になれば、米国や世界にとっても悪くない」としつつ、ただ、『箱の外に何かを取り出す(some outside-of-the-box)』ような発想と柔軟性、そして戦略的な明晰さが要求されると強調した。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。