「ボルトン更迭は朝米交渉の障害物除去」 ストックホルム国際平和研究所が肯定

ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Institute、SIPRI)のダン・スミス所長が、9月末に予想される朝米実務交渉を控えてボルトン国家安保補佐官が更迭された事に対し、「障害物を除去したもの」と歓迎の意を示した。

スミス所長は16日午前、ソウルのスウェーデン大使公邸で開かれた記者懇談会で、「SIPRIと彼(ボルトン)は、決して同じところを見ていなかった」「ボルトン氏は朝米交渉が総体的にすべてを包括する結果で成し遂げられることを期待したようだ」と指摘、「ボルトン氏が更迭され非核化の行程に青信号が灯ったと確実視することはできないが、一つの障害物を除去したことになる」「これから進むための準備が完了したという信号」だと述べた。

「ボルトン氏はイランや北朝鮮など米国を除くすべての国で、彼が望む世界の政治の流れを抑圧、強要する側面があった」ので、彼の更迭が9月末に予見される朝米実務交渉、さらには朝米首脳会談にプラスの効果を与えることができるという事だ。

トランプ大統領はボルトン氏の更迭理由を、彼が朝鮮に対し「リビアモデル」を取り上げて対朝交渉に支障が出たし彼の意見に同意していなかったと明かした。

スミス所長はトランプ政権は「柔軟で外交的立場のアプローチをとっている」し「ポンペオ米国務長官はプロセスを重視して、目的の結果を得るために努力が必要であることを知っている」と評価した。

ただし、シンガポール朝米首脳会談の結果は、「将来に向けた不明なロードマップが含まれている」とし、ハノイ首脳会談の不発が示すように「我々が望む結果を得るためには具体的で多くの時間を要する準備が必要であること」で、今回の朝米実務交渉も結果を予測するのが難しいと診断した。 また、2020年米大統領選挙の過程でも変数になるとした。

彼は「歴史的な先例をみると、米国大統領は大統領選挙の4ヶ月前に重要な外交的成果に焦点を当てていなかった」「トランプ大統領がどのような態度を見せるか予測できない。 再選のためにどのような代価を払ってでも平和協定を締結したり会話の立場にあることも出来るし、また、大統領選挙を控え強硬な立場をとることもできる」とし、トランプ大統領の予測不可能性を指摘した。

スミス所長は文在寅政権について、「政治的側面から難しく複雑である。 朝鮮半島の平和の鍵は韓国ではなく米国が握っている。 どうしようもない世界の力の現実」「韓国は引き続き南北関係の緩和のために貢献することができなければならず、朝米間の関係改善のために役立つことができる立場にならなければならない。 貿易や文化交流などの具体的な協力も取らなければならない」と助言した。

朝鮮の非核化の真摯性について、スミス所長は「(北朝鮮が)真摯性を持っていると考える」と言いながらも 「非核化の定義に関する議論と議論の過程が必要である。 双方が考えている定義と考え方などを考慮して会話を続けなければならない」と強調した。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。