(転載)地域を「いじめている」と北京をアメリカが非難する中、ベトナム地下鉄を完成した中国

800万人以上の人々が暮らすベトナムの首都ハノイ市に初めての地下鉄路線が開通した。この路線は中国の資金で、建設され、車両は中国の国有企業中国中車CRRCのものだ。

この地下鉄は2011年から建設中で、予定より遅れていて、予算を超過していることに対し、特に欧米では批判の的だった。

それでも開通するや否や、ハノイ住民が都市の新しい大量輸送システムに最初に乗ろうと押し寄せたる。

特に欧米メディアを読んでいて、ベトナムは中国の敵だとか、かつてアメリカが行った20年にわたる邪悪な戦争の標的だったこの東南アジアの国が、中国に対して「立ち上がる」共通の目的で、今ワシントンに加わると信じていた人々には、プロジェクトの完成は驚きかもしれない。

それは真実からほど遠い。中国が地域の「いじめっ子」だという概念は、ごくわずかの真実の微風で消え去り、残るのは、ベトナムと中国は多くの相違にもかかわらず、共に建設的な未来を作っている事実だ。

ベトナムと中国は人々が考えているより近い

ハノイ地下鉄はベトナムが恩恵を得た最初の中国鉄道関連プロジェクトではない。

ごく最近、ベトナムを経由して中国をASEANと結ぶのに役立つ高速鉄道路線の一部として、中国はトンネルを完成した。最近完成した陸封のラオスを通過するもう一本の路線に加えてのものだ。

「ベトナムと国境を接する港を結ぶ中国最初の高速鉄道、すべてのトンネルを完成」という見出し記事で中国の環球時報はこう報じている。

 全てのトンネルが完全に開通して、中国高速鉄道が中国-ベトナム国境に至るのを可能にする南中国の広西チワン族自治区の高速鉄道建設が大きな進展を成し遂げた。

中国-ベトナム国境に位置する防城港市と東興市を結ぶ鉄道が完成すれば、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟諸国間の鉄道接続性において主要な役割を果たす。

これは今年早々の中国-ヨーロッパ貨物鉄道を利用した最初のベトナムからの出荷を実現した取り組みに続くものだ。ヨーロッパはベトナム輸出で三番目に大きな地域であり、商品をヨーロッパ市場にもたらす追加の貨物サービスはベトナム経済を拡大する助けになる。

これを可能にしているのは一帯一路構想とベトナムのような隣接国と協力している中国だ。

貿易という点では、中国は世界規模でベトナム商品の輸送推進を助けているだけでなく、中国自身ベトナムの最大輸出市場なのだ。

ベトナム社会の特定サークルから中国に向けられた時に激しい政治的言説にもかかわらず、東南アジアの実に多くの他の国々同様、この国にとって、中国は重要な貿易相手国であり、高度なインフラ計画のみならず、これらプロジェクトへの資金調達に関する益々不可欠なパートナーと見なされているのだ。

中国は本当に地域の「いじめっ子」なのだろうか?

今年早々、カマラ・ハリス副大統領がベトナムへの歴史的訪問をした際、CNBCによればこう主張した。

 国際連合海洋法条約を遵守させ、いじめや過度の領海主張に異議を唱えるため、率直に言って、我々は北京に対する圧力をかける方法、圧力を強化する方法を見いだす必要がある。

中国を地域の「いじめっ子」として描写するのは、中国に対するワシントンのプロパガンダ戦争の大黒柱であり、特に南シナ海だけではなく、インド・太平洋地域で継続中の軍事的存在を正当化するためにアメリカが使ういくつかの理由の一つだ。

中国に対してワシントンが広めている他の宣伝との相乗作用を通して、世界は、これらの主張を信じ込む人々と、権力の中心が間もなく東洋に移る世界で、覇権を維持するための未曾有の苦難の中、これは欧米西洋による主張に過ぎないと知っている人々に分かれつつある。

北京に「圧力をかけて従わせる」ためベトナムを徴募するハリスの試みは、中国とベトナムの貿易と進行中のインフラ協力をおけば、無駄だった。

ハリス副大統領が発言した同じ時に、ベトナム政府は両国は友好関係を求め、ハリス訪問がベトナムの姿勢を変えないことを保証するため中国の同格の人物と会っていた。

これらのあらゆる事実にもかかわらず、中国がアジアの他の国々を「いじめて」いるという呪文は、欧米メディアや、ワシントンロンドンや今やキャンベラの支配層内で繰り返され続けている。

「AUKUS」同盟という集合は、インド・太平洋の縁、あるいは完全に地球の反対側の国々で構成されており、中国がアジアの他の国々を「いじめて」いるというのが、いかに無意味かをはっきり示す明確な反映だ。中国が本当にいじめっ子で、地域に対する脅威だったら、AUKUSにはもっと多くの加盟国が参加するため行列したはずだ。そうではない。現実は、アメリカが、中国を包囲し、封じ込めることに非合理的に固執し、平和と繁栄に対する地域唯一の実際の脅威になっているのだ。

8月、ハリスは、アメリカを、存在しない脅威に対する安全保証人だと売りこもうとして、名ばかりのCOVID援助と、アメリカ-ベトナム貿易に関する話し合いのためベトナムを訪問した。アメリカはベトナムにとって、中国に続く二番目に大きい輸出市場なので、ベトナムにとって、この3つの問題で、最後のものだけ本当に関心があるのだ。

アメリカ市場へのアクセスを維持しようとしながら、ベトナムはワシントンと北京両国に対処するのに自身にとって可能な最良条件を得るため、地域覇権への執着に必死なワシントンにつけこもうとしたのだ。それ以上は、自分で画策する北京との対決で、ベトナムが実際アメリカに加わることに興味がないのは明白だ。

中国への近さからベトナムが大いに裨益している中国とベトナムの貿易、インフラと協力で成し遂げている進歩を見て、現在のやり方で、インド・太平洋地域で、5年あるいは10年先に、その影響力が増大するか、減少するかアメリカは考えているのだろうか?

ワシントンの覇権追求は歴史的に袋小路なのは明らかで、他のあらゆる国々の上に立つのではなく、諸国間で、より現実的で建設的な役割にアメリカが移行するまでは、アメリカには、インド・太平洋あるいは他のどこであれ、世界的舞台で実行可能な未来はない。

2021年11月16日 ブライアン Berletic New Eastern Outlook

マスコミに載らない海外記事より。 記事原文のurl:https://journal-neo.org/2021/11/16/china-completes-vietnam-metro-as-us-accuses-beijing-of-bullying-region/

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。