朝鮮戦争の終戦を実感、休戦会談の目撃者として長生きした甲斐ある

「今日初めて朝鮮戦争が終わっているという実感がわきました。 日帝時代には植民支配が永遠に続くばかりのようで暗鬱としたこともありましたが、実際この馬鹿げた戦争は必ず終わり、朝鮮半島に平和の日が来ると信じて一度も疑ったことがありませぬ」

韓国の新聞「ハンギョレ」によると、朝鮮戦争時、休戦会談を直接目撃した人物である在日統一運動家の鄭敬謨氏(94歳)が、電話インタビューで朝米首脳会談について聞かれこう答えた。

鄭氏は当時、国連軍側通訳として板門店での停戦協議を参観しており、「唯一の生き証人」として感慨が一層深い。

鄭氏は米国留学中に呼び出しを受けて、50年10月下旬頃に東京のマッカーサー司令部に出勤、翌年10月の停戦協議が始まった後に板門店に派遣された。 当時の朝鮮人民軍代表は南日大将、中国人民義勇軍代表は鄧華大将、国連軍代表はジョイ海軍中将で、韓国軍は李承晩が休戦自体に反対だった為、オブザーバーと連絡将校が1名ずつ出席している実情だったという。

鄭氏は自身の回顧録「道を探して」で、「双方の協議は休戦ラインの設定と捕虜の交換問題だった関係で、私は米軍と中国軍の測量技術者たちがコンパスと三角定規で朝鮮半島を南北に分ける作業現場を数回目撃せざるを得なかったのですが、祖国の大地が二つに分けられるその光景はまるで肉親の誰かが生体解剖される場面を目撃するようで、胸が痛み、辛い思いをしました」と語ってる。 今回の朝米首脳会談を見て、 「西洋中世史で英国・フランスの『100年戦争』を最も長くしぶとい戦争の例に挙げているが、今日、朝鮮半島の地で朝米間の角逐は70年間も続いたので、もう終わる時が来た」と断言、「休戦の目撃者である私が生きているうちに終戦の日を見守れたので、長生きした甲斐があったと感じる」と述べた。

鄭氏は首脳会談を見た感想の中で、画面に映る金正恩国務委員長の姿について「89年3月文益煥牧師と共に北朝鮮を訪問したときに会った、祖父の金日成の豪放な風貌に大変似ており、年齢が若いにも関わらず堂々とした度胸が感じられた」とも語った。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。