金正恩委員長、大連を電撃訪問

朝鮮・金正恩

朝鮮の金正恩国務委員長が7日から8日まで中国の大連を訪問、習近平国家主席と会談を行った。

金委員長の訪中は3月末の北京訪問から一月あまりでの再訪となり異例といえる。

会談では、最近、世界の耳目が集中されている朝鮮半島情勢の流れと発展推移に対する評価と見解、自国の政治・経済状況が相互通報され、朝中親善・協力関係をより立派に促すことと、共通の関心事となる重大な問題の解決方途に対する深みのある意見が交換された。

金正恩委員長は、習近平国家主席が忙しい政治日程にもかかわらず貴重な時間を割いて遠い大連にまで来て温かく迎え、誠意と至誠の限りを尽くして最上の便宜を提供するように細心に手配してくれたことに感謝の意を表し、最近、朝中関係が新しい全盛期を迎え、昇華発展していることについて大変うれしく思うとしながら、特に、両党、両国間の緊密な高位級往来と朝中の最高指導部間の戦略的意思疎通が前例のない水準で行われていることについて高く評価した。

金委員長は、この日々、朝中間の心中の距離はなおさら近くなったし、切り離すことのできない一つにつながったと言い、今後も両国間の親善的な往来を拡大し、絶妙で多様な形式で緊密な連携を維持していくことを願うと述べた。

金委員長は、深刻な変化が起こっている朝鮮半島周辺情勢の推移について分析、評価し、戦略的機会をとらえて朝中間の戦術的協同をより積極的に緻密に強化していくための方途的な問題について述べた。

習近平主席は、金正恩委員長の今回の訪問は中朝の両党、両国関係を高度に重視し、自身と中国党を信頼し、われわれが成し遂げた合意を実践しようとする真の意志を示したことになると述べ高く評価、金委員長が去る3月に行った初めての中国訪問以来、中朝関係と朝鮮半島の情勢において肯定的な発展が成し遂げられていることについてうれしく思うと述べ、両党、両国間の意思を疎通し、調律するために自ら中国を訪問したことに再度謝意を表した。

習主席は、中朝両国は運命共同体、変わらない唇歯(しんし)の関係だと述べ、情勢がいかに流れても中朝関係を強化し、発展させようとするのは両国の党と政府の確固不動の立場であり、唯一に正確な選択であると強調、朝鮮労働党が第7期第3回総会で社会主義経済建設に総力を集中することに関する新たな戦略的路線を打ち出したことについて支持しながら、金委員長の指導の下に朝鮮の社会主義建設偉業が必ず勝利するとの確信を表明した。

習主席は、中国は親善的な隣邦として朝鮮半島情勢の発展と変化に大きな関心を持ってこの地域の平和と安定のために一貫して努力していると言い、金委員長が最近に取った重大な決断と措置を高く評価し、全面的な支持を再闡明(せんめい)した。

金正恩委員長は8日午前、またもや習近平主席に会い、海辺を歩きながら胸襟を開いて談話を交わした。

これに先立ち金委員長は、今月3日平壌を訪問した中国の王毅外相と会談し、「朝中間の団結と伝統的な親善、協調関係を全面的に継承し、深め、発展させていくことと、朝鮮半島情勢の流れの発展方向と展望をはじめとする互いの関心事に対し、幅広い意見交換」を行っていた。

今回、金正恩委員長が習近平国家主席と会談に臨んだのは、先月27日板門店で行われた南北首脳会談について習国家主席に直に伝え、9日に行われる韓中日首脳会談、その後に予定されている朝米首脳会談を睨み中国との連帯を確認するものだ。 同時に、その過程で必ず浮上してくるであろう朝鮮戦争終戦協定締結問題において、停戦協定の調印当事国である朝米中間で解決すべき諸事案について、突っ込んだ論議をしたものと推測される。

いずれにせよ今回の会談は朝中関係が完全に修復され、かつ、新たなステップに進んでいる事を示唆するものといえる。 実際、習近平国家主席主席は3月の会談で、国際情勢と地域情勢がどのように変化しようとも朝中血盟関係をより高い段階に発展させる意志を明かしている。

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元記者。 過去に平壌特派員として駐在した経験あり。 当時、KEDOの軽水炉建設着工式で、「星条旗よ永遠なれ」をBGMとして意図的に流しながら薄ら笑いを浮かべていた韓国側スタッフに対し、一人怒りを覚えた事も。 朝鮮半島、アジア、世界に平和な未来が訪れんことを願う、朝鮮半島ウォッチャー。 現在も定期的に平壌を訪問している。